令和8年6月10日 小学部2年生の授業を参観して~子供の言葉を育てる~

6月10日(水)、小学部2年生の教室では、生活単元学習「フルーツポンチを作ろう」の授業が行われていました。全4時間の単元の4時間目で、いよいよフルーツポンチを完成させる学習です。

2年生の子供たちは、食べることへの興味が高く、デザートや調理活動にも関心をもち始めているそうです。フルーツポンチ作りでは、さまざまな果物の名前や調理で使う動作を表す言葉がたくさん登場します。そのため、興味・関心の高い調理活動を通して、言葉の理解や表出を育てることも大切なねらいとなっています。授業の目標も、生活科の「役割と手伝い・仕事」、国語科の「聞くこと・話すこと」から設定されていました。

フルーツポンチ作りの説明が始まると、子供たちはとても落ち着いて先生の話を聞いていました。全4時間の最後の授業ということもあり、活動の見通しをもっていたことも理由の一つかもしれません。しかし、それだけではないように感じました。

A先生は、テレビ画面に映し出された果物の写真を示しながら、ゆっくりと「パイナップル」と話し掛けます。次に包丁の写真を示し、「包丁で」と伝え、さらにパイナップルを切る写真を見せながら、「切ります」と身振りを交えて説明していました。そして、実際に子供たちの前でパイナップルを切り、テレビに映し出された写真と実物が同じものであることを丁寧に確かめていました。

A先生は、写真や映像だけで終わらせるのではなく、実物を見せ、実際にやって見せながら、包丁の使い方やフルーツの切り方、混ぜ方、さらには切った後の形まで、一つ一つ子供たちと確認していました。子供たちは先生の説明をよく見て、よく聞き、身振りをまねしたり、言葉を復唱したりしながら学習に参加していました。

言葉を理解するということは、単に言葉を覚えることではありません。一つの体験を通して、その言葉が表している意味を豊かに理解していくことです。例えば、パイナップルの缶詰一つをとっても、缶から出てくること、真ん中に穴が開いた形であること、包丁で切ると台形のような形になること、回転させながら切る必要があることなど、実際の体験を通して理解していきます。

さらに、友達と交代しながら果物を切り、最後にみんなで混ぜて食べることで、「おいしい」「あまい」「もっと食べたい」といったさまざまな言葉と出会います。こうした体験の積み重ねが、言葉の理解や表現を豊かにしていくのだと感じました。

今回の授業は、フルーツポンチ作りを楽しむだけでなく、実物に触れ、見て、聞いて、やってみる体験を通して、子供たちの言葉の理解を丁寧に育てる授業でした。自閉症のある子供たちにとって、言葉と実際の体験を結び付けながら学ぶことの大切さを改めて感じる授業でした。

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