令和8年6月10日 小学部4年生の授業を参観して~興味・関心を広げ、新しい経験を受け入れる~
6月10日(水)、小学部4年生の教室では、7月に実施するデモホーム宿泊学習に向けた事前学習が行われていました。生活単元学習「いきいきタイム」の単元「デモホームに泊まろう」の一つで、テーマは「バスや電車に乗ってレストランに行こう」です。全24時間の単元のうち、この日は5時間目の授業を参観しました。
授業の目標は、レストランでのマナーを知ることと、注文の仕方を理解して取り組むことでした。4年生の子供たちは、活動内容を理解したり見通しをもったりすることで安心して取り組めることが強みです。そこで、宿泊学習当日に落ち着いて外食を楽しめるよう、事前にレストランでの過ごし方や注文の仕方を学習していました。
レストランで守りたいきまりとして、「①座る ②静かにする ③先生と一緒に ④食具で食べる ⑤熱いお皿には触らない」の5つを確認しました。また、注文の流れとして、「①店員さんをベルで呼ぶ ②注文する ③待つ ④食べる」を学びました。子供たちは、実態に応じて、言葉で伝えたり、タブレット端末の写真を示したり、音声出力スイッチ(VOCA)を使ったり、写真カードを手渡したりしながら注文の練習に取り組んでいました。





その後は、「レストランごっこ」と題した模擬レストランでの活動です。店員役の先生に向かって注文する場面では、子供たちが「コーンたっぷりピザとドリンクバーをください!」と笑顔で答える姿が見られました。一人一人が自分なりの方法で気持ちを伝えられるよう、担任のA先生をはじめ、B先生、C先生が丁寧に関わっている様子が印象的でした。「そうなんだね」、「楽しみだね」と子供たちの気持ちを受け止めながら進む授業は、とても温かい雰囲気に包まれていました。


中でも印象に残ったのはD君の姿です。D君は食べることに苦手さがあり、レストランでの食事そのものに楽しみを見出すことはまだ難しい状況です。そのため、まずはメニューを見たり、写真や絵を通してレストランや料理に親しんだりすることを大切にしています。
注文の学習では、写真カードを先生に手渡して注文することができました。続くレストランごっこの場面では、最初は席から離れた場所で過ごしていましたが、A先生は「気持ちを整える時間だね」とD君の様子を受け止めながら寄り添っていました。そして、お友達の注文が終わる頃、自分から席に着き、店員役のC先生に写真カードを渡して注文することができました。最後には「ください。」と伝える姿も見られました。
担任の先生方によると、当初はこの活動への参加そのものが難しいかもしれないと考えていたそうです。しかし、D君は自分のペースで学級の友達や先生と一緒に活動に参加し、新しい経験に向かう姿を見せてくれました。


子供たちが興味や関心を広げ、新しいことを受け入れていく歩みには、一人一人異なるペースがあります。そして、その歩みを支えているのは、子供自身の頑張りだけでも、先生方の努力だけでもありません。子供が「やってみよう」とする気持ちに大人が寄り添い、その思いを受け止めることで、子供は安心して新しい一歩を踏み出すことができるのだと感じた授業でした。

