令和8年6月29日 幼稚部の授業を見て

6月29日(月)は、幼稚部の校内授業公開と授業研究会を実施しました。今回は、幼稚部から2つの授業を公開し、自立活動の時間において教師と一対一で行う活動の様子を動画で視聴しました。

最初の授業は、幼稚部年長組の個別活動です。物の名前や動きを表す言葉を理解し、自分から表出することをねらいとして、歌や写真絵本、お絵かきを取り入れながら、教師とのやり取りを楽しむ活動が行われました。子供が興味をもちやすい教材を用いることで、「見る」「聞く」、そして物を操作したり、絵を描いたり、話したりして「伝える」ことを、自然な流れの中で繰り返し経験できるよう工夫されており、教師との応答を重ねながら、言葉の理解や表出を促していく様子が見られました。

「やまびこごっこ」の歌を動物の鳴き声にアレンジした活動では、最初はA先生がマイクを持って歌い始め、その後、A先生からマイクを差し出されると、Bさんがやまびこのように応答して歌う、温かなやり取りが見られました。さらに次は、Bさんが自らマイクを持って歌い始め、その後、A先生にマイクを差し出して歌ってもらう姿が見られました。

やり取りの学習では、教師の働き掛けに子供が応じることが中心になりがちです。しかし、この授業では、教師との楽しいやり取りを積み重ねる中で、Bさん自身が相手に働き掛ける役割へと自然に移行していました。やり取りの方法を分かりやすい枠組みの中で繰り返し経験することで、応じる側だけでなく、相手に働き掛ける側へ、さらには役割を交代しながら双方向にやり取りを楽しめる姿へと発展していく過程がよく表れた授業でした。

次の授業は、幼稚部年少組の個別活動です。形を見分けて物を操作することや、さまざまな手の動きを経験することをねらいとして、工夫された教材を用いた活動が行われました。

プラスチック製の洗濯板にビーズを通したゴムを張った教材を使った活動では、C先生が教材をD君に差し出すと、D君は両手で何度も上下にこすり、にこにこと笑顔を見せていました。C先生も色違いの同じ教材を手元に用意し、「ジャッ、ジャッ」と言葉を添えながら、D君と同じようにこする動きを共有していました。こする動きを十分に楽しんだ後、C先生がゴムをつまんで引っ張りながら「ピン、ピン」と音や動きを言葉で表すと、D君もそれを見てゴムをつまんで引っ張る動きを始めました。さらに、C先生が教材を傾けてビーズを動かし、「ジャラジャラ」と言葉を添えると、D君も同じように教材を傾け、ビーズの動きを楽しむ姿が見られました。

教師が子供の興味や動きを受け止めながら、同じ教材で動きを共有し、音や言葉を添えて新たな操作へとつなげていくことで、子供は安心してさまざまな手の動きや教材の扱い方を経験していました。子供の「楽しい」という気持ちを出発点に、一つの動きから次の動きへと自然につなげていく教師の関わりが印象的な授業でした。

2つの授業では、教師が子供一人一人の興味や思いに寄り添い、「楽しい」という気持ちを大切にしながら学びを積み重ねていました。教師との安心できる一対一のやり取りの中で、子供は言葉や動きを理解し、自ら相手に働き掛けたり、新しい操作に挑戦したりする姿を見せていました。自立活動の個別活動は、できることを増やすための時間であるだけでなく、教師との豊かなやり取りを通して、「伝えたい」、「やってみたい」という意欲や、人と関わる楽しさを育む大切な学びの時間であることを、改めて感じた授業でした。

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA