筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

3月9日 「むらさき」って何 ~修了式・卒業式予行~ 

3月9日 「むらさき」って何 ~修了式・卒業式予行~ 

 幼稚部の年長組の学級だよりを見ていると「むらさき」という言葉が目に止まった。記事には、「むらさき(・・・・)をもらう練習を頑張った」とある。何だろうと思って読み進むと、「むらさき」が幼稚部の修了証書を表していることが分かった。確かに、修了証書の台紙は紫色である。修了証書という言葉は、子供にとっては分かりにくいので、子供たちに馴染みのある色名を使ったようだ。行事と子供との接点を見つけて、子供の理解を促すこと、大いに結構なことだ。

3月9日「むらさき」って何 写真.jpg

 今日は、修了・卒業式の予行があった。今年、幼稚部を修了するうさぎ組の6名は、ここまで何度か練習し、それぞれ「むらさき」をもらうことができるだろうと担任の教員たちは思っていた。子供は名前を呼ばれると、ステージの上の校長の前まで歩いて行き、証書を受け取って自席に戻る。ステージはそれ程高くはないが、子供は2段上がる。たった2段であり、運動能力的には全く問題はない。ただし、何のためにそこに行くのかを理解し、そしてそこに行くまで自分をコントロールしなくてはならない。刺激がたくさんある中で、簡単なことではない。だが、練習を重ねて、心配のあった子供もできるようになっていた。

 Y君もその一人である。昨日までは、できていた。ところが今日の予行では、名前を呼ばれると「やだ」「いかない」を連発し、頑として自席を動こうとしなかった。最後に、もう一度試したが、やはり動くことができず、私がステージを降りてY君の前に行き証書を渡した。といってもY君は受け取る気がなかったので、Y君の膝の上に置いたという感じだ。今日は、登校時からいつもと違う雰囲気を感じて緊張感を高めていたようだ。会場に入ると、クラスの練習のときにはいなかった在校生もいる、会場の装飾も行われ、ものものしい雰囲気になっている。いつもと違う状況に敏感に反応したようである。

 さて、本番をどうするか。クラスや幼稚部の教員たちは随分時間をかけて検討したようである。本番まで、あと5日間。Y君の理解を促す指導をすることや対応する教員などを再点検し、当日の対応方針を決めて私のところに相談にきた。今日のように、最後は、校長が移動することはあるかもしれないが、最大限試してみたいということであった。ここまで練習してきた、Y君を信じてみようということだ。私もその船に乗ってみようと思う。