筑波大学附属久里浜特別支援学校 Special Needs Education School for Children with Autism,University of Tsukuba

4月26日 感覚を使って遊ぶ ~3歳と4歳児の砂遊びから~

4月26日 感覚を使って遊ぶ ~3歳と4歳児の砂遊びから~

 砂場のある仲良し広場で、ひよこ組の子供たちが遊んでいた。ひよこ組は、4月に入学したばかりの3、4歳児混合のクラスである。校内を探索している子供や少し体調を崩して休んでいる子供もいるようだ。この4月から本校に入学した子供たちにとっては刺激に満ちたこれまでだったに違いない。目に見えない疲労も出るころだと思うが、この広場で遊んでいる子供たちは元気だ。

 3歳児のK君は、先生から茶碗に砂を入れてもらい、それを砂場の縁に逆さまにすることを繰り返していた。茶碗を外しても形がしっかり残るのが面白いようだ。昨日の激しい雨で砂が湿っているため、水を引かなくても砂がまとまる。ちょうどよい湿り気である。K君はK先生から砂の入った茶碗を受け取りそっとはずす。きれいに形が残って喜んでいた。10個ほども並べただろうか。彼は滑り台の方へと興味が移ったようだ。

 変わってそこにやってきたのが、同じクラスの4歳児O君、彼は並んだ茶碗型の砂の塊を、手のひらでたたいて潰し始めた。次々と壊すというよりは、1個1個をていねいにたたいて潰す。彼の力では、一撃では壊れない。その様子をしばらく見ていて、こんなふうにして子供たちは砂を知り、その感触やもろさを体験し、結果として自分の力を知っていくのだろうな、と思った。大事なことを学んでいる。

 もう一人、4歳児のSさんは遊び小屋にくくりつけてある調理台のようなところで、水の入った浅い四角い容器に砂を入れている。砂場から砂を運び、それを容器に少しずつ入れていく。入れては指で押すことを繰り返す。料理を作っているイメージでもあるのだろうか。だが、おなじことを繰り返しているところを見ると、ここでも砂をつかむ、押す、固める、その感触を楽しんでいるように見える。

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 Sさんが遊んでいるところに、隣のクラスの4歳児H君がやってきた。二人が向かい合って同じことを始めた。交流はないが隣あって同じことをしている(写真)。ときどき、触れ合いがある。

 ともすれば大人はイメージをもって遊んでほしいと思うが、この遊び場にくると、子供は遊びの中で感覚を十分に使うのだということを改めて思い知らされる。そして、繰り返しの経験の中で感覚を発達させ、物の機能や特性を学んでいくことを目の当たりにする。焦ってはいけないのだ。